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そっと見守るような…そんな愛し方ができたら良かった?
主 人

 遊。 -Yu.-
 変態について詳しくは此方から

擬 人
夢 語
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腕の中にある温もりが微かに身じろぎ、唇が薄く開く。
少し腫れた目元は、昨夜久しぶりの逢瀬に加減が出来なかった所為か。きっと瞳を醒ましたら、第一声で罵声を受ける事になるんだろう。(まあ、声も枯れてしまっているだろうから、気にするほどの事でもない、が。)そして次の瞬間には頬を染めて、鋭いその視線を泳がせて。何度抱いても、目覚めた朝は処女の様な反応をする、その姿を待つのがとても愉しくて、愉しくて。静かに、白い頬に掛かった黒髪を耳へと掛ける。

途端、現れた、濡れた唇に欲情を覚えるのは、仕方の無い事で。


「ユーウー君。早く起きて俺を見てくれないと、第三ラウンド突入するけど?」
「…ん…、…」
「困ったモンだ…これで無意識だってんだから…。」


見た目に寄らず低血圧なのか、朝に弱く、何時だって声を掛けたくらいじゃ起きやしない。(以前無理矢理、繋がったまま揺らしたら啼きながら起きたっけ。)(あの時は可愛かったのになぁ。)(でもその後が悲惨だった。本気で恋人の事斬ろうとするんだから、さ。)スっと視線を落とせば、お姫様はまだスヤスヤと夢の中。全く、これでも一応、俺達敵同士、だぜ?恋人以前に、敵同士。何時その、脈打ち、温かな心臓を抜きさるかも判らない。


「ユウ。」


ズプ、っと白い肌を突き抜けて、指先に温かな心臓が触れる。ゆっくりと、規則的に伸縮し、静かに、それでも大きく。全身へと血を廻らせる器官。生きていく為に必要な、不可欠な。愛でる様に優しく何度も触れて。もしも今、俺がコレを抜き取れば、お前はずっと、綺麗なまま、美しいまま、誰にも傷付けられる事無く、俺の知らない場所で死ぬ事も無く。今、この瞬間の、安らかな顔のままで、痛みも苦しみも、何も?
瞳を細めた瞬間、今まで微動だにもしなかった瞼がピクリ、と震えて、ゆっくりと、ゆっくりと、世界の色を取り込み、光を点す瞳は、怯えに染まるだろうか。突きつけられた現実に、悲壮の色を浮かべるだろうか。促す様に見つめ返せば、不敵に弧を形作る、薄い唇。


「殺りたきゃ殺れよ。」
「…俺が殺らないと思ってる?」
「まさか。その前に、…俺がお前を殺してやる。」


薄く、妖艶な、それでも何処か優しさを讃えた微笑み。あー、駄目だね、こりゃ。全部見透かされてる感じ?何これ、俺がヘタレみたいじゃん。ああもう、その余裕そうな笑み、ぐちゃぐちゃにしてやりたい。俺だけの特権でしょ?ね、直ぐに何も考えられない様に、お前も俺もなるんだからさ。でも、ちょっと、やっぱり、加減出来ねぇかも。火点けたのそっちだからさぁ、最後まで頑張ってくれよ。今度、いつ逢えるかも判らない毎日を確かに過ごせる位にさ。


「ユウ君、やっぱり第三ラウンド。」
「…寝かせろ。」




快楽
モノフォビア

( そんな悪態吐いて、後から弱音吐いても知らねぇよ? )
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